ANSWER / 結論
取り方は『登録講習機関ルート』と『指定試験機関ルート(一発試験)』の2経路。実地試験が免除される前者が現実的な選択肢。
📝 この記事の要点
- ●登録講習機関ルートの所要は経験者2日/初学者4日、二等の総費用は約12〜32万円。技能証明書交付まで合計1〜3か月。
- ●申込前に必要なのは①16歳以上②視力両眼0.7以上(矯正可)③本人確認書類④DIPS2.0登録の4点だけ。
- ●2025年12月18日に民間資格の許可申請優遇が廃止され、業務利用は二等以上の国家資格が事実上必須に。
📊 重要な数字とデータ
| 制度施行日 | 2022年12月5日(改正航空法)(出典: 国土交通省) |
|---|---|
| 学科試験 二等 | 三肢択一50問・30分・正答率80%以上で合格(出典: 日本海事協会) |
| 学科試験 一等 | 三肢択一70問・75分・正答率約90%で合格(出典: 日本海事協会) |
| 二等・初学者の最低講習時間 | 学科10時間+実地10時間(出典: 国土交通省告示) |
| 技能証明書の有効期限 | 3年(満了6か月〜1か月前に更新申請)(出典: 国土交通省) |
| 民間資格優遇の廃止日 | 2025年12月18日(出典: 国土交通省 審査要領改正) |
目次
「ドローン国家資格を取りたいが、何から手をつけていいか分からない」——本記事は、その状態のあなたが今日中に最初の一歩を踏み出せるように構成しました。2026年4月時点の制度に基づき、申込から技能証明書がお手元に届くまでの7ステップ、所要期間と費用、ルートの選び方、つまずきやすいポイントまでを、現役の検定審査員視点で整理します。
なお2025年12月18日の制度改正で民間資格による許可申請の優遇措置は原則廃止されました。業務でドローンを使う方は、二等以上の国家資格取得が事実上の必須要件です(趣味目的への影響は限定的)。
始める前に|4つの最低要件
申込前に、以下4点を確認してください。これさえ揃えば誰でもスタート可能です。
| 要件 | 基準 |
|---|---|
| 年齢 | 16歳以上(未成年は親権者同意書) |
| 視力 | 両眼0.7以上・片眼0.3以上(コンタクト・眼鏡で矯正可) |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード等 |
| 事前手続き | DIPS2.0アカウント開設+技能証明申請者番号取得 |
色覚は赤・青・黄が識別できればOK、聴力は通常会話に支障がなければ問題ありません。年齢の上限はなく、70代の取得実績もあります。
取得までの全体像|7ステップ
迷ったときの全体地図です。各ステップの詳細は後述しますが、まずこの流れを頭に入れておくと位置づけが分かります。
| # | ステップ | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | DIPS2.0アカウント開設 | 5〜10分 |
| 2 | 技能証明申請者番号の取得 | 即日 |
| 3 | 登録講習機関で受講 | 経験者2日/初学者4日 |
| 4 | 修了審査(実地試験免除) | 半日 |
| 5 | 学科試験(CBT) | 30〜75分 |
| 6 | 身体検査 | 数分〜半日 |
| 7 | 技能証明書の交付申請 | 申請から1〜2か月で郵送 |
経験者なら申込から取得まで最短1〜2か月、初学者でも約3か月で技能証明書が手元に届きます。
2つのルートの違いと選び方
国家資格の取得経路は2つです。
| 項目 | ①登録講習機関ルート | ②指定試験機関ルート(一発試験) |
|---|---|---|
| 実地試験 | 修了審査で免除 | 受験必須 |
| 二等の総費用 | 約12〜32万円 | 約4万円〜(再受験で増加) |
| 二等の所要期間 | 経験者2日/初学者4日 | 数か月(独学期間込み) |
| 実地合格率 | 86〜93% | 約60〜70%(独学だと10%以下とも) |
| 練習機体 | スクール提供 | 自前で調達 |
| 推奨対象 | 業務利用・初学者 | 操縦経験豊富な熟練者のみ |
迷ったらルート①で間違いありません。一発試験は受験料が安く見えますが、実地試験を3回落とすと再受験料だけでスクール受講料相当になり、結果的に時間も費用も損するケースが大半です。一等と二等の使い分けは一等と二等の違いを徹底比較で詳述しています。
7ステップの詳細
STEP 1|DIPS2.0アカウント開設
国土交通省のドローン情報基盤システム DIPS2.0にアカウントを作ります。メールアドレスと本人確認書類があれば5〜10分で完了。個人アカウントなら氏名・住所・生年月日、法人アカウントなら登記情報を入力します。法人と個人で別アカウントが必要なので、業務利用なら最初に法人アカウントも準備しておくとスムーズです。
STEP 2|技能証明申請者番号の取得
DIPS2.0にログイン後、メニュー「技能証明関連の手続き」から技能証明申請者番号を取得します。試験申込・修了審査・交付申請のすべてで使う12桁の識別番号で、これがないと先へ進めません。スクールへの申込時にも記入を求められるため、申込書類より先に取得しておくのが鉄則です。
STEP 3|登録講習機関で受講
国土交通省認定の登録講習機関(ドローンスクール)で、学科講習と実地講習を受けます。最低講習時間は告示で以下のとおり定められています。
| 区分 | 学科 | 実地 |
|---|---|---|
| 二等・初学者 | 10時間以上 | 10時間以上 |
| 二等・経験者 | 4時間以上 | 2時間以上 |
| 一等・初学者 | 18時間以上 | 50時間以上 |
| 一等・経験者 | 9時間以上 | 10時間以上 |
「経験者」は多くのスクールで民間資格保有者または操縦経験10時間以上が該当します。学科講習はオンライン受講に対応しているスクールも多く、業務との両立がしやすい構成です。
STEP 4|修了審査(最大の山場)
講習修了後、登録講習機関内で実施される修了審査に合格すると、指定試験機関での実地試験が免除されます。机上試験(飛行計画作成)・口述試験(点検手順・事故報告)・実技試験(スクエア飛行・8の字飛行・異常事態飛行)の3科目で、減点方式(持ち点100、二等は70点以上、一等は80点以上で合格)。一等はGPSオフ(ATTIモード)の手動操縦が中心で難易度が大きく上がります。修了審査は通常、講習最終日に半日で実施され、その場で合否が出ます。落ちた場合は再講習+再審査となるため、各スクールごとに再受験料が定められています。詳細は実地試験の内容・落ちる人の特徴を参照してください。
STEP 5|学科試験(CBT)
指定試験機関(日本海事協会/ClassNK)の学科試験を全国のCBT会場で受験します。予約は専用サイトから24時間可能で、最短で3〜5日後の枠を押さえられます。二等は50問30分、一等は70問75分。受験料は二等¥8,800/一等¥9,900。試験当日または翌営業日に結果通知が届き、合格証は通知日から2年間有効です。何度でも再受験できますが毎回受験料がかかります。学科対策は学科試験対策|頻出問題と合格のコツを参照してください。
STEP 6|身体検査
書類受検(¥5,200)と会場受検(¥19,900)の2種類から選択。書類受検が圧倒的に低コストですが、診断書を発行する医療機関は自分で探す必要があります。一等は指定航空身体検査医による診断が必須なので、地域の指定医を国土交通省サイトで事前に確認しておきましょう。
STEP 7|技能証明書の交付申請
DIPS2.0から技能証明書の新規交付を申請します。手数料¥3,000(一等は登録免許税¥3,000を別途)。申請から手元に届くまで約1〜2か月。手元に届いた瞬間から正式に業務利用可能になります。
民間資格保有者の方へ|「経験者」になる条件
経験者コースは初学者コースの1/3の費用・1/2の期間で取得できる重要な選択肢です。「経験者」の定義は登録講習機関ごとに異なりますが、多くは以下のいずれかを満たす方が該当します。
- 民間資格保有者(DPA・JUIDA・FREEBIRDなど主要団体の認定資格)
- 操縦経験10時間以上(飛行記録・ログの提出を求められる場合あり)
- 業務での操縦実績がある
DPAやJUIDAなどの民間資格は2025年12月に許可申請優遇は廃止されたものの、スクール経験者コースの受講要件としては引き続き有効です。民間資格を未取得で操縦経験のみの方は、DIPS2.0の飛行記録または所属組織の業務記録などをもって経験者証明とするケースが多いです。詳しくは申込前にスクールに確認してください。
期間と費用の現実的シミュレーション
ケース別に総支払額を試算します(受講料はDSL基準)。
二等・経験者(民間資格保有または操縦10時間以上)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受講料(経験者割引) | 約100,000円 |
| 学科受験料 | 8,800円 |
| 身体検査(書類) | 5,200円 |
| 交付申請料 | 3,000円 |
| 合計 | 約117,000円 |
最短2日で実技完了、技能証明書交付まで合計1〜2か月。
二等・初学者
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受講料 | 約300,000円 |
| 学科受験料 | 8,800円 |
| 身体検査(書類) | 5,200円 |
| 交付申請料 | 3,000円 |
| 合計 | 約317,000円 |
実技4日、技能証明書交付まで合計3か月程度。
一等・初学者
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 受講料 | 約700,000円 |
| 学科受験料 | 9,900円 |
| 身体検査(会場) | 19,900円 |
| 交付申請料 | 3,000円 |
| 登録免許税 | 3,000円 |
| 合計 | 約735,800円 |
費用を抑える3つの選択肢:①経験者割引(民間資格・操縦経験10時間以上で総額1/3に)、②教育訓練給付金で受講料の最大70%を還付、③法人受講なら人材開発支援助成金。詳細は費用相場の最新版も参照してください。
試験の出題範囲と合格戦略
学科試験
出題は国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」(令和7年4月17日適用)から。4科目構成です。
- 無人航空機に関する規則
- 無人航空機のシステム
- 操縦者及び運航体制
- 運航上のリスク管理
二等は正答率80%以上、一等は約90%以上が合格基準。教則は国土交通省サイトから無料ダウンロードできます。スクール受講者には教則準拠の独自演習問題が提供されることが多く、独学より効率的です。
実地試験(修了審査も同内容)
机上・口述・実技の3科目で減点方式採点。実技ではスクエア飛行・8の字飛行・異常事態飛行が課されます。一等はGPSオフ(ATTIモード)の手動操縦が中心で、難易度が大きく上がります。
落ちる人の傾向TOP3
「実地で落ちる方の8割は『口述』でつまずきます。点検手順や事故報告フローを暗記していても、自分の言葉で説明できないと減点されます」 — DSL横浜校 検定審査員
DSLの審査員が見てきた典型パターンは以下の3つです。
- 口述で「マニュアル丸暗記」が露呈 — 質問のニュアンスに合わせた応答ができない
- 実技でATTIモードの手動操縦が苦手 — 民間資格保有者でも盲点になりやすい
- 机上の飛行計画で気象判断ミス — 風速・視程の安全基準を理解していない
DSLでは口述ロールプレイングを最低2回、ATTIモード集中訓練も必修化しています。
取得後できること
二等取得で、特定飛行(人口集中地区上空・夜間・目視外など)の許可申請が大幅に簡略化され、業務委託先・保険会社からの信頼指標として機能します。一等は加えてレベル4飛行(有人地帯目視外)が可能。さらに限定変更(夜間・目視外・25kg超)を取得することで対応業務範囲が広がります。
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よくある質問
Q1. 独学・一発試験で取れますか?
制度上は可能ですが、実地合格率10〜30%と低く、再受験料が積み重なると結果的にスクール受講料を超えるケースが多いです。確実性・期間短縮を優先するなら登録講習機関ルート一択です。
Q2. 申込から取得まで何日かかりますか?
経験者で最短1〜2か月、初学者で約3か月です。実技は2〜4日で済みますが、技能証明書交付までの郵送に1〜2か月かかります。業務開始時期から逆算してご検討ください。
Q3. 試験に落ちた場合の再受験費用は?
学科は何度でも再受験可能で毎回受験料(二等¥8,800/一等¥9,900)が発生。指定試験機関の実地試験は1回¥19,800〜。修了審査の再受験はスクールごとに料金設定があり、DSLは1回¥22,000程度です。
Q4. 民間資格を持っていると有利ですか?
はい。経験者コースが利用でき、受講料・期間が初学者の1/3になります。ただし民間資格による許可申請優遇は2025年12月18日で廃止されたため、業務利用なら最終的に国家資格取得が前提です。
Q5. 視力が悪くても取れますか?
両眼0.7・片眼0.3以上をコンタクト・眼鏡で矯正できれば取得可能です。色覚は赤・青・黄の識別ができれば問題ありません。
Q6. 何年ごとに更新が必要ですか?
有効期限は3年。満了6か月〜1か月前に更新申請(更新講習+身体検査+¥2,850)が必要です。失効すると新規取得とほぼ同じ手続きが必要なので、更新時期は必ずカレンダーに入れてください。詳細は国家資格の更新ガイドを参照。
Q7. 学科試験の勉強時間はどれくらい?
スクール受講者で初学者は20〜40時間、経験者は10〜20時間が目安です。国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則 第4版」を1〜2周し、スクールが提供する模擬問題を3周すれば合格水準に達するケースが多いです。独学だと教則理解に時間がかかり、合計60〜100時間を要することもあります。
Q8. 操縦が苦手でも取得できますか?
二等であればスクエア・8の字飛行など基本動作中心なので、4日間の集中訓練で多くの初学者が合格水準に達します。一等はATTIモードでの手動操縦が必須となり、初学者には50時間以上の実地講習が必要なため、苦手意識がある方はまず二等から段階的に進めるのが現実的です。
Q9. スクール選びで失敗しないコツは?
①国土交通省の登録講習機関であること、②修了審査を社内完結できること(実地試験免除に直結)、③完全屋外実技訓練があること(屋内ネットだけだと実務で通用しない)、④少人数制で指導が行き届くこと、⑤経験者割引・補助金対応があることの5点を確認してください。複数校から見積もりを取り、無料相談で実際の指導者と話してから決めるのが安全です。
最短で取りたい方へ
ドローン免許センターは横浜校・千葉流山校で、検定審査員が直接指導する登録講習機関です。経験者コース¥98,000〜・初学者コース¥302,500〜で、修了審査を社内完結(指定試験機関での実地試験が免除)。完全屋外実技訓練と少人数制(インストラクター1名につき受講生最大2名)を採用しています。
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執筆: ドローンライセンススクール 記事編集部 (ドローン免許センター 公式ブログ編集チーム)