📝 この記事の要点
- ●二等無人航空機操縦士の試験は『学科試験(CBT・50問・30分)』『実地試験(机上+口述+実技の5ステップ)』『身体検査』の3部構成
- ●学科は正答率80%以上で合格(50問中40問正解)、実地は100点持ち点・減点方式で70点以上が合格ライン
- ●登録講習機関で講習と修了審査を受けると実地試験が免除される。一発試験合格率は約30%、講習機関ルートは80〜90%と差は約3倍
- ●2025年4月17日適用の教則第4版で、レベル3.5飛行・行政処分基準が新たに学科の出題範囲に追加された
キーファクト
| 学科試験 二等 | 三肢択一式50問・30分・正答率80%以上で合格・受験料8,800円(出典: 日本海事協会) |
|---|---|
| 学科試験 出題範囲 | 規則/システム/操縦者及び運航体制/リスク管理 の4科目(教則第4版準拠)(出典: 国土交通省) |
| 実地試験 二等 | 100点持ち点・減点方式・70点以上で合格・受験料19,800円〜(出典: 国土交通省告示(無人航空機操縦士実地試験実施基準)) |
| 身体検査 | 書類受検5,200円/会場受検19,900円・両眼視力0.7以上(出典: 日本海事協会) |
| 学科合格 有効期間 | 通知日から2年間(その間に実地・身体検査を完了)(出典: 日本海事協会) |
| 教則第4版 適用開始 | 2025年4月17日(レベル3.5飛行・行政処分基準が新規範囲)(出典: 国土交通省) |
| 合格率の差 | 一発試験 約30% / 登録講習機関ルート 80〜90%(約3倍差)(出典: 業界調査・スクール各社) |
二等無人航空機操縦士は、国土交通省が認定する無人航空機操縦者技能証明のうち、業務利用で最も多く取得されている国家資格です。本記事では、2026年4月時点の最新情報をもとに、学科試験・実地試験・身体検査の試験内容を、国家資格検定審査員の視点で徹底的に解説します。
特に2025年12月18日の制度変更により民間資格の優遇措置が廃止された結果、業務でドローンを飛ばすには二等以上の国家資格が事実上必須になりました。試験内容を正確に理解しないまま受験準備に入ると、再受験コストや時間ロスが膨らみがちです。この記事を読み終える頃には、学科50問の出題範囲、実地100点減点方式の具体的な減点項目、合格率の現実、そして「一発試験」と「登録講習機関ルート」のどちらを選ぶべきかまで、自分自身で判断できる状態を目指します。
二等無人航空機操縦士の試験内容|3部構成の全体像
二等無人航空機操縦士の試験は、学科試験・実地試験・身体検査の3部構成で実施されます。3つすべてに合格して初めて、技能証明書(カード型)が国土交通省から交付されます。
試験は「学科 + 実地 + 身体検査」の3部構成
3つの試験は、それぞれ実施機関と方式が異なります。学科と実地の合格基準・受験料は同じ二等資格でも別々に管理され、独立した試験として扱われます。
| 区分 | 実施機関 | 方式 | 二等の合格基準 | 二等の受験料 | |---|---|---|---|---| | 学科試験 | 指定試験機関(日本海事協会) | CBT(コンピュータ受験) | 正答率80%以上(50問中40問正解) | 8,800円 | | 実地試験 | 指定試験機関(日本海事協会) | 机上+口述+実技 | 100点持ち点・70点以上 | 19,800円〜 | | 身体検査 | 指定試験機関 または 書類提出 | 書類または会場検査 | 視力・色覚・聴力など各基準 | 5,200円 / 19,900円 |
受験ルートは「登録講習機関」と「一発試験」の2つ
二等の試験には、2つの受験ルートがあります。実地試験を免除できるか否かが最大の違いです。
- 登録講習機関ルート:国土交通省が認定したスクールで講習と修了審査を受けると、指定試験機関での実地試験が免除されます。残るは学科試験と身体検査のみ。
- 一発試験ルート:登録講習機関を経由せず、指定試験機関で学科試験と実地試験を直接受験する方法。受験料は安いですが、合格率は大幅に下がります。
どちらのルートでも、学科試験と身体検査は必ず指定試験機関で受験する必要があります。免除されるのはあくまで実地試験のみです。
2025年12月18日の制度変更で業務利用は事実上必須化
国土交通省は2025年12月18日付で、民間資格保有者に対する飛行許可申請の優遇措置を原則廃止しました。これにより、業務でドローンを飛ばす場合は二等以上の国家資格が事実上の必須要件となりました。
廃止前は、JUIDAやDPAなどの民間資格を提示すれば特定飛行(人口集中地区上空・夜間・目視外など)の許可申請が簡略化されていました。現在はその簡略化が一切受けられず、毎回フル書類で申請する必要があります。業務でドローンを継続利用するなら、二等以上の取得が現実的な選択肢です。
詳細はドローン資格の種類【2026年4月最新】国家資格と民間資格の違い・選び方を完全解説で解説しています。業務利用の典型例は業務空撮の始め方|資格・機材・営業までも参照してください。
学科試験の内容|CBT・50問・30分・正答率80%
二等の学科試験は、全国の試験会場でコンピュータ受験する三肢択一式の試験です。問題数は50問、試験時間は30分で、正答率80%以上(50問中40問正解)で合格となります。
試験パラメータ:50問・30分・三肢択一式・8,800円
二等学科試験の主要パラメータは以下のとおりです。一等試験と比較すると、問題数も時間も短く、難易度も控えめに設定されています。
| 項目 | 二等 | 一等 | |---|---|---| | 問題数 | 50問 | 70問 | | 試験時間 | 30分 | 75分 | | 出題形式 | 三肢択一式(CBT方式) | 三肢択一式(CBT方式) | | 合格基準 | 正答率80%以上(40問正解) | 正答率約90%程度 | | 受験料(税込) | 8,800円 | 9,900円 | | 学科合格の有効期間 | 通知日から2年間 | 通知日から2年間 |
CBT(Computer Based Testing)方式とは、紙の答案ではなく、試験会場のコンピュータ画面に表示される問題に対してマウスやタッチで回答する形式のことです。会場の運営はプロメトリック社が担当しており、全国200か所以上の会場で随時受験できます。
出題範囲は4科目(規則/システム/運航体制/リスク管理)
学科試験の出題範囲は、国土交通省が定める4科目に整理されています。一等・二等で出題範囲は共通ですが、二等では「業務利用の基本知識」、一等では「レベル4飛行を含む高度な運航管理」が問われます。
| 科目 | 主な内容 | |---|---| | 1. 無人航空機に関する規則 | 航空法・特定飛行・飛行許可申請・登録制度・行政処分基準 | | 2. 無人航空機のシステム | 機体構造・推進系・電源系・センサー類・制御モード(GPS/ATTI) | | 3. 無人航空機の操縦者及び運航体制 | 安全運航マニュアル・運航計画・チーム運用・人的要因 | | 4. 運航上のリスク管理 | 気象・地形・電波環境・事故対応・緊急時操縦 |
学科試験の具体的な頻出問題と勉強法は、別記事の学科試験対策|頻出問題と合格のコツで詳しく解説しています。
教則第4版(2025年4月17日適用)の改訂で出題範囲が拡大
2025年4月17日より、学科試験は**「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第4版)」**に準拠して出題されています。第4版では従来の第3版と比べて、以下の項目が追加・改訂されました。
- 捜索救助活動における特例の明確化
- 第三者・第三者上空空域の定義見直し
- レベル3.5飛行の追加(2024年7月開始の新制度)
- 行政処分基準の追加(操縦者の処分要件・違反時のペナルティ)
- 無線局手続きの変更反映
- その他、表現の修正
レベル3.5飛行と行政処分基準は新しい出題領域のため、古い参考書や2024年以前の過去問だけで挑むと未習問題に当たって減点される可能性があります。受験前は必ず国土交通省サイトで公開されている第4版PDFを通読してください。
「2025年4月17日から教則第4版に切り替わり、レベル3.5飛行や行政処分基準が新たに出題範囲に加わりました。古いテキストや過去問だけで挑むと、出題されても意味が分からず減点される可能性があります。第4版PDFは国交省サイトで無料配布されているので、必ず1度通読してから本番に臨んでください。」
── DSL横浜校 学科講師
学科合格は2年間有効(その間に実地・身体検査を完了)
学科試験の合格は、合格通知日から起算して2年間有効です。この期間内に実地試験(または登録講習機関の修了審査)と身体検査を完了し、技能証明書の交付申請まで進める必要があります。
学科合格 → 2年以内に → 実地試験合格/修了審査合格 → 身体検査合格 → 技能証明書交付申請
2年を過ぎると学科試験を再受験しなければなりません。登録講習機関ルートの場合は最短2か月で全工程が完了するため、有効期限切れリスクはほぼありません。一発試験ルートで実地試験に複数回落ちた場合は、有効期限の管理が必要になります。
CBT試験会場と申込方法(プロメトリック社運営)
学科試験は全国200か所以上のCBT会場で受験できます。会場予約から受験までの流れは以下のとおりです。
- DIPS2.0で技能証明申請者番号を取得
- プロメトリック社の予約システムで試験日・会場を予約
- 受験料8,800円を支払い
- 当日、本人確認書類を持参して受験
- 試験終了直後にスコアレポートが発行され、合否を即時確認
平日・土日問わず予約可能で、申込みから最短数日で受験できる柔軟さがCBT方式の利点です。
実地試験の内容|100点減点方式・70点以上で合格
二等の実地試験は、100点持ち点からの減点方式で採点され、各試験科目終了時に70点以上の持ち点を確保した受験者が合格となります。
実地試験は5ステップ構成(机上→口述→実技→口述→口述)
実地試験は5つのステップで構成されます。実技だけでなく口述試験の比重も高いため、操縦技術だけでは合格できません。
| ステップ | 試験種別 | 内容 | |---|---|---| | ① | 机上試験 | 飛行計画の作成 | | ② | 口述試験 | 飛行前点検 | | ③ | 実技試験 | スクエア飛行・8の字飛行・異常事態における飛行 | | ④ | 口述試験 | 飛行後点検・飛行後の記録 | | ⑤ | 口述試験 | 事故・重大インシデントの報告 |
出典:日本海事協会 実地試験案内、国土交通省告示「無人航空機操縦士実地試験実施基準」(令和5年7月27日改正)
①机上試験:飛行計画の作成
机上試験では、与えられた条件(飛行目的・地形・気象・周辺環境)から、安全な飛行計画を紙またはタブレットで作成します。航空法上の特定飛行に該当するか否かの判断、緊急時の連絡先・退避ルートの設定、飛行高度・速度の設定根拠などが評価対象です。
②口述試験:飛行前点検
実技に入る前に、機体の点検手順を試験官の前で口頭で説明し、実物の機体に触れながら確認します。点検項目を順序通りに、自分の言葉で説明できるかが問われます。テキストの暗記だけでは対応しづらく、実際に何度も点検作業を反復した受験者が有利です。
③実技試験:スクエア飛行・8の字飛行・異常事態における飛行
実技試験は3種目の操縦技術が採点されます。GPSをオフにしたATTI(アティチュード)モードで実施されるため、機体の自動安定機能に頼らない手動操縦力が必要です。
- スクエア飛行:四角形の経路を一定の高度・速度で飛行する基本操作
- 8の字飛行:交差点を含む8の字経路を、機首方向を進行方向に合わせて飛行
- 異常事態における飛行:GPSロスト、電波途絶、強風時などの想定で、緊急着陸や帰投操作を実施
④口述試験:飛行後点検・飛行後の記録
実技終了後、機体に異常がないかを点検し、フライト時間・電池消費・気象条件などを記録する手順を口述で再現します。「飛行が終わったから終了」ではなく、運航記録の作成が法令で義務付けられている点を理解しているかが評価されます。
⑤口述試験:事故・重大インシデントの報告
最終ステップでは、事故や重大インシデントが発生した場合の通報フローを口述で説明します。具体的には、国土交通大臣への報告義務、連絡先(地方航空局・空港事務所)、報告期限(事故発生から原則1週間以内)などが問われます。
減点項目早見表(飛行経路逸脱・不円滑・ふらつき等)
実地試験は減点方式で採点されます。代表的な減点項目を整理しました。**項目ごとに-1点(軽微)または-5点(重大)**が引かれ、累計で30点以上失うと不合格になります。
| カテゴリ | 減点項目 | 減点点数 | 適用条件 | |---|---|---|---| | 飛行経路 | 飛行経路逸脱 | -5点 | 経路幅3mから外れる(重大) | | 操作精度 | 不円滑 | -1点 | 操作にぎこちなさが見られる | | 操作精度 | ふらつき | -1点 | 機体姿勢が安定しない | | 操作精度 | 機首方向不良 | -1点 | 進行方向と機首が一致しない | | 操作精度 | 高度逸脱 | -1〜-5点 | 指定高度から外れる | | 安全確認 | 周辺確認不足 | -1〜-5点 | 飛行前後の安全確認漏れ | | 安全確認 | 操作介入の遅れ | -1〜-5点 | 異常時の対応遅延 |
出典:国土交通省告示「無人航空機操縦士実地試験実施基準」(令和5年7月27日改正)/実地試験実施細則 ※減点点数の具体は機体種類・限定別に細目あり。本表は「回転翼マルチローター・基本(昼間・目視内・25kg未満)」を想定した代表例
即不合格となる「不合格区画」と危険飛行の判定
減点項目とは別に、一発で試験中止・不合格となる行為が定められています。これらは試験官の判断で即時適用されます。
- 不合格区画への進入:飛行経路の外側に設定された区画に機体が入った時点で即不合格
- 危険な飛行:第三者や障害物に接近する、墜落の恐れがあるなど、試験官が危険と判断した場合
- 制御不能:プロポ操作に機体が反応しない、暴走するなどコントロール喪失
- 試験官への不適切な対応:指示無視、虚偽の説明など
特に「不合格区画」の存在は競合記事で触れられていないことが多く、受験者が現場で初めて知って驚くケースが少なくありません。経路の外側に幅1m前後の警告ゾーンが設定されているため、ふらついて機体が経路から大きく外れた瞬間に即不合格となります。
「実地試験で落ちる方を分析すると、TOP3は明確です。1位:口述試験の暗記不足(飛行前後点検の手順を読み上げで再現できず減点)、2位:8の字飛行のふらつき(GPSオフのATTIモードで姿勢制御が不安定)、3位:異常事態飛行の判断遅れ(GPSロスト・電波途絶を想定した手順が頭に入っていない)。スクールでは口述ロールプレイングを2回、ATTI飛行を最低5回練習してから本番に臨んでいただきます。」
── DSL横浜校 国家資格検定審査員
機体種類(マルチローター・ヘリコプター・飛行機)と限定変更
実地試験は、機体の種類と「限定(解除)」の組み合わせで実施されます。受験者が業務で使用する機体・条件に合わせて選択します。
機体の種類(3種類):
- 回転翼航空機(マルチローター):ドローンの主流タイプ
- 回転翼航空機(ヘリコプター):シングルローター大型機
- 飛行機:固定翼の無人航空機
限定変更の種類(3種類):
- 夜間飛行(日没から日出までの飛行)
- 目視外飛行(操縦者の目視範囲外での飛行)
- 最大離陸重量25kg以上(大型機体)
「基本」は昼間・目視内・25kg未満で、追加で限定変更を取得すると、業務で対応できる飛行範囲が広がります。限定変更の試験は基本に追加する形で受験するため、別途受験料が発生します。
業務で限定変更を活用する事例については一等と二等の違いを徹底比較も参照してください。
身体検査の内容|書類5,200円/会場19,900円の2方式
身体検査は、視力・色覚・聴力・運動能力の4項目をチェックする最終ステップです。受検方式は「書類による受検」と「会場での受検」の2種類があり、自分の状況に応じて選べます。
視力・色覚・聴力の基準
二等の身体検査基準は以下のとおりです。眼鏡・コンタクトレンズによる矯正は問題ありません。
| 項目 | 基準 | |---|---| | 視力 | 両眼0.7以上、片眼0.3以上(矯正可) | | 色覚 | 赤・青・黄の識別ができること | | 聴力 | 通常の会話に支障がないこと | | 運動能力 | 操縦に支障のない四肢の機能 | | 年齢 | 16歳以上(未成年は親権者同意書) |
なお、一等資格を取得する場合は別途、指定航空身体検査医による医学的検査が必要です。二等は上記基準を満たせば書類提出のみで完結する場合が大半です。
受検方式は2種類(書類による受検 vs 会場での受検)
| 受検方式 | 手数料 | 概要 | 推奨される人 | |---|---|---|---| | 書類による受検 | 5,200円 | 自動車運転免許証等の身体要件確認書類で代替 | 普通自動車免許など有効な身体要件を満たす書類を持つ人 | | 会場での受検 | 19,900円 | 指定会場で実地検査 | 上記書類を持たない人、視力等に不安がある人 |
普通自動車免許を保有していれば書類受検で5,200円のみで済むため、多くの受験者は書類方式を選択します。
申込み前に揃えるものチェックリスト
身体検査を含めた受験全体の準備物を、申込み前に揃えておくとスムーズです。
- [ ] 本人確認書類(マイナンバーカードまたは運転免許証)
- [ ] 技能証明申請者番号(DIPS2.0で取得)
- [ ] 身体要件確認書類(自動車運転免許証など、書類受検を選ぶ場合)
- [ ] 顔写真(規定サイズのデジタル写真)
- [ ] 受験料の支払い手段(クレジットカードまたは銀行振込)
- [ ] 未成年者の場合は親権者同意書
一発試験 vs 登録講習機関ルート|試験内容の違いと合格率
二等の試験は、「一発試験(指定試験機関で直接受験)」と「登録講習機関ルート(修了審査で実地免除)」の2経路から選べます。試験内容自体は同等の難易度ですが、合格率には約3倍の差があります。
一発試験(指定試験機関)の流れと合格率(約30%)
一発試験は、登録講習機関に通わず、指定試験機関で学科試験と実地試験を直接受験する方法です。
DIPS2.0で申請者番号取得 → 学科試験 → 実地試験 → 身体検査 → 技能証明書交付
費用面では受験料のみで完結するため安価ですが、業界調査によると**実地試験の合格率は約30%**にとどまります。理由は、試験コースを事前に練習できる場所が限られること、ATTIモード飛行を独学で習得するのが難しいこと、口述試験の暗記項目が多岐にわたり独学では網羅しづらいことなどです。
登録講習機関ルートの流れ(修了審査で実地免除)
登録講習機関ルートは、国土交通省が認定したスクールで講習を受けたうえで「修了審査」に合格すると、指定試験機関での実地試験が免除される方式です。
スクール申込 → 講習(学科+実地)→ 修了審査 → 学科試験 → 身体検査 → 技能証明書交付
講習時間は国土交通省告示で以下のように定められています。
| 区分 | 学科 | 実地 | |---|---|---| | 二等・初心者 | 10時間 | 10時間 | | 二等・経験者 | 4時間 | 2時間 |
「経験者」の定義は登録講習機関ごとに異なりますが、一般的には民間資格保有者または10時間以上の操縦経験を持つ人が該当します。
修了審査は同等の採点基準だが合格率80〜90%の理由
登録講習機関の修了審査は、指定試験機関の実地試験と同じ採点基準(100点持ち点・70点以上)で実施されます。にもかかわらず合格率が80〜90%と高い理由は、以下のとおりです。
- 講習で同じコースを反復練習できる
- 受験者が慣れた環境(同じ場所・同じ機体)で受けられる
- 講師が事前に弱点を指摘し、当日までに改善できる
- 緊張を和らげる雰囲気で実施される(試験官と講師が同一の場合もあり)
実地試験と修了審査の難易度は変わりませんが、準備環境と心理的負担に大きな差があるため、合格率に開きが出ます。
コスト比較表(1回合格 / 3回目合格 / 講習機関ルート)
3パターンで実費を比較すると、長期的には登録講習機関ルートが安く済むケースもあります。
| 項目 | 一発試験 1回合格 | 一発試験 3回目合格 | 登録講習機関ルート(DSL経験者割引) | |---|---|---|---| | 学科試験料 | 8,800円 | 26,400円 | 8,800円 | | 実地試験料 | 19,800円 | 59,400円 | 0円(修了審査で免除) | | 身体検査(書類) | 5,200円 | 5,200円 | 5,200円 | | 講習料 | 0円 | 0円 | 98,000円〜 | | 技能証明書発行 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 | | 合計 | 36,800円 | 94,000円 | 115,000円〜 | | 取得期間 | 4〜6か月 | 8〜12か月 | 2日(講習)+ 1〜2か月(申請) | | 心理的負担 | 中 | 高 | 低 |
注:受験料は2026年4月時点の税込価格。一発試験で3回挑戦しても合格できない場合は、結局講習機関ルートに切り替えるケースもあり、その場合は合計コストがさらに増加します。
費用相場の全体像はドローン国家資格の費用相場【2026年4月最新】で詳しく解説しています。教育訓練給付金で最大70%還付できる条件はドローンスクールで使える教育訓練給付金を参照してください。
どちらを選ぶべきか:タイプ別判断基準
| タイプ | 推奨ルート | 理由 | |---|---|---| | 民間資格を持ち、独学に自信がある人 | 一発試験 | 費用最小、ATTI操縦を既に習得済みなら現実的 | | 業務で短期間に確実に取得したい人 | 登録講習機関 | 合格率と取得期間の安定性が圧倒的に有利 | | 完全未経験者 | 登録講習機関 | 一発試験の合格率は10%未満まで下がる可能性あり | | 受験回数を絞りたい人 | 登録講習機関 | 修了審査は同等基準でも合格率80〜90% |
「指定試験機関の一発試験は、最新データで合格率約30%。3回挑戦して合計約66,000円の受験料、しかも交通費・会場拘束時間も毎回発生します。登録講習機関の修了審査は同等の採点基準ですが、講習で慣れた環境・講師同伴で受けられる分、合格率が3倍ほど違います。コスト面でも結局講習機関ルートの方が安く済むケースが多いのが実情です。」
── DSL運営事務局
実地試験を免除して合格率を最大化したい方は、DSL二等国家資格コースの詳細をご確認ください。
試験の難易度と合格率|数字で見る現実
試験の難易度は、合格率の数値で見るのが最もわかりやすい指標です。学科・実地それぞれの全国合格率(推定)と、落ちた場合の再受験コストを整理します。
学科試験 全国合格率(推定70〜80%)
学科試験の全国合格率は公式には非公表ですが、業界調査によると70〜80%程度と推定されます。教則第4版の通読+過去問・サンプル問題集での演習を組み合わせれば、十分に合格圏に入る難易度です。
スクールで提供される模擬試験を活用すれば、合格率はさらに高まります。日本海事協会とDronetなどのサンプル問題集も活用しましょう。
実地試験 全国合格率(一発試験 約30% / 講習機関 80〜90%)
実地試験は、受験ルートで合格率が大きく分かれます。
| ルート | 合格率(推定) | 出典 | |---|---|---| | 一発試験(指定試験機関) | 約30% | 業界各社調査(2026年版) | | 登録講習機関ルート(修了審査) | 80〜90% | スクール各社公表データ | | 一等の一発試験 | 10〜20%程度 | 業界調査 |
参考までに、ドローンスクール東京の2026年2月の修了審査合格率は86%と公表されています。DSLでは事前模擬を2回実施することで、修了審査合格率約95%(2025年実績)を維持しています。
落ちた場合の再受験コスト試算
実地試験に落ちた場合、再受験のたびに受験料が発生します。再受験までは数週間〜数か月の待機期間が必要なことも多く、機会損失を含めると影響は大きくなります。
| 落ちた回数 | 累計学科料 | 累計実地料 | 累計合計(身体検査5,200円含む) | |---|---|---|---| | 1回目で合格 | 8,800円 | 19,800円 | 33,800円 | | 2回目で合格 | 8,800円 | 39,600円 | 53,600円 | | 3回目で合格 | 8,800円 | 59,400円 | 73,400円 | | 4回目で合格 | 17,600円 | 79,200円 | 102,000円 |
注:4回目では学科の有効期限切れリスクがあり、学科再受験が必要になる場合あり。
「民間資格をお持ちの『経験者コース』受講者の方が、実は基本のスクエア飛行で減点されるケースが多いんです。これは民間資格の操縦感覚(GPS有効・自動制御頼り)と、国家試験で求められる手動操縦(ATTIモード)が異なるためです。経験者だからと油断せず、短期間で技術を詰め直す意識が必要です。」
── DSL流山校 国家資格検定審査員
受験〜技能証明書交付までのタイムライン
実際に受験を始めてから技能証明書を受け取るまで、どれくらいかかるのか。ルート別のタイムラインを整理します。
登録講習機関ルートのタイムライン(最短2か月)
[Day 0] 登録講習機関で講習開始
↓
[Day 2-4] 講習修了 + 修了審査合格 → 実地試験免除
↓
[+1〜2週間] DIPS2.0で技能証明申請者番号取得
↓
[+1か月] 学科試験(CBT)受験 → 合格通知
↓
[+1〜3か月] 身体検査(書類または会場)
↓
[+2〜4か月] 技能証明書 交付申請(DIPS2.0)
↓
[+3〜5か月] 技能証明書 受領(カード型)
経験者コースなら2日間の集中講習で講習を完了できるため、講習を含めた取得期間は最短約2か月です。
一発試験ルートのタイムライン(最短4か月/再受験で半年〜)
[Day 0] DIPS2.0で技能証明申請者番号取得
↓
[+1か月] 学科試験 受験 → 合格率70〜80%
↓
[+2か月] 実地試験 申込・受験 → 合格率約30%
↓
↓ ※落ちた場合:再受験料 + 数か月待ち
↓
[+3〜4か月] 身体検査
↓
[+5〜6か月] 技能証明書交付
一発試験は試験予約の競争率も高く、地方在住者は会場まで毎回移動する負担もあります。
学科合格2年・技能証明書3年の有効期限管理
国家資格には2つの有効期限があり、いずれも管理が必要です。
| 区分 | 有効期間 | 起算日 | 切れた場合 | |---|---|---|---| | 学科試験合格 | 2年 | 合格通知日 | 学科を再受験 | | 技能証明書 | 3年 | 交付日 | 更新申請が必要(満了6か月前〜1か月前) |
技能証明書の更新時には、再度の身体検査と更新講習が必要です。業務で継続利用する方は、更新時期をカレンダーに登録しておきましょう。
国家資格全体の取得手順を改めて確認したい方はドローン国家資格の取り方|申込から取得まで7ステップ完全ガイドも参照してください。
二等無人航空機操縦士 試験内容|よくある質問(FAQ)
Q1. 学科試験は何問・何分・何点で合格?
50問・30分・正答率80%以上(50問中40問正解)で合格です。三肢択一式のCBT方式で、全国200か所以上のプロメトリック社運営の会場で随時受験できます。
Q2. 学科試験はどんな問題が出る?過去問はある?
出題範囲は4科目(規則/システム/運航体制/リスク管理)で、教則第4版(2025年4月17日適用)に準拠しています。国土交通省が一部のサンプル問題を公開しているほか、登録講習機関は独自の模擬問題集を提供しています。詳しい頻出問題と勉強法は学科試験対策|頻出問題と合格のコツで解説しています。
Q3. 実地試験の「机上」「口述」「実技」の違いは?
実地試験は5ステップ構成で、机上(飛行計画作成)→口述(飛行前点検)→実技(スクエア・8の字・異常事態)→口述(飛行後点検・記録)→口述(事故報告)の順で実施されます。実技だけでなく口述の比重も高いため、操縦技術と暗記事項の両方の対策が必要です。
Q4. 実地試験の減点項目はどんなもの?
「飛行経路逸脱(-5点)」「不円滑(-1点)」「ふらつき(-1点)」「機首方向不良(-1点)」「高度逸脱(-1〜-5点)」「周辺確認不足(-1〜-5点)」などです。100点持ち点から累計30点以上失うと不合格になります。また「不合格区画への進入」「危険飛行」「制御不能」は即不合格となります。
Q5. 一発試験と登録講習機関ルートで合格率はどれくらい違う?
一発試験の実地合格率は約30%、登録講習機関ルートの修了審査合格率は80〜90%です。約3倍の差があります。理由は、講習機関で同じコースを反復練習でき、慣れた環境で受験できるためです。
Q6. 試験に落ちた場合の再受験費用は?
学科は1回8,800円、実地は1回19,800円が再受験時に再度発生します。3回目で合格した場合、累計で73,400円程度になり、登録講習機関の経験者コース費用(115,000円〜)に近づきます。
Q7. 学科合格は何年有効?
学科試験の合格は通知日から2年間有効です。この期間内に実地試験(または修了審査)と身体検査を完了し、技能証明書の交付申請まで進める必要があります。2年を過ぎると学科を再受験する必要があります。
Q8. 受験に年齢・身体的な制限はある?
16歳以上が対象です(未成年は親権者の同意書が必要)。視力は両眼0.7以上・片眼0.3以上(矯正可)、色覚は赤・青・黄の識別、聴力は通常会話に支障がないことが基準です。多くの方は普通自動車運転免許で書類受検(5,200円)が可能です。
二等試験を最短・確実に合格するならDSLドローンスクール
DSLドローンスクールは、国土交通省登録の登録講習機関として、二等の修了審査で実地試験を免除できるカリキュラムを提供しています。
検定審査員直接指導 + 修了審査で実地試験免除
DSLには、国土交通省が認定する国家資格検定審査員が複数所属しており、横浜校・流山校で直接指導を受けられます。修了審査も同じ審査員が担当することが多く、講習で指摘された弱点を本番までに修正できる体制です。
修了審査前の模擬試験2回で合格率約95%
DSL二等コースは、修了審査の前に実地の模擬試験を2回実施するのが特徴です。1回目で弱点を抽出し、2回目で改善状況を確認してから本番に臨むため、2025年実績で**修了審査合格率は約95%**を維持しています(業界平均80〜90%)。
学科対策もオンライン受講が可能で、教則第4版に準拠した独自模擬問題集を提供しています。
横浜校・流山校・経験者割引98,000円〜
DSL二等国家資格コースは、横浜校・流山校の2拠点で開講しています。流山校は首都圏では希少な場外ヘリポートを併設しており、25kg超や夜間・目視外の限定変更にも対応可能です。
| 項目 | 内容 | |---|---| | 受講料 | 302,500円〜(経験者割引98,000円〜) | | 期間 | 経験者2日 / 初学者4日 | | 学科 | オンライン受講可 | | 実地 | 屋外・少人数制 | | 修了審査 | 毎月希望日で実施 | | 卒業後 | 機材レンタル・現場サポートあり |
業務で短期間に確実に二等を取得したい方は、DSL二等国家資格コースの詳細をご覧ください。一等取得や限定変更まで含めた発展プランは一等国家資格コースもあわせてご検討ください。
まとめ|試験内容を理解して、最短ルートで合格へ
二等無人航空機操縦士の試験内容を、本記事の要点として再掲します。
- 試験は3部構成:学科(CBT・50問・30分・80%)+実地(机上・口述・実技の5ステップ・100点減点方式・70点)+身体検査(書類5,200円/会場19,900円)
- 学科は教則第4版(2025年4月17日適用)に準拠:レベル3.5飛行・行政処分基準が新規範囲
- 実地は減点方式:飛行経路逸脱-5点、ふらつき・機首方向不良-1点など。不合格区画進入は即不合格
- 合格率は2ルートで約3倍差:一発試験 約30% / 登録講習機関ルート 80〜90%
- 登録講習機関なら最短2日(経験者)で講習完了:修了審査で実地試験を免除
- 学科合格は2年、技能証明書は3年の有効期限管理が必要
業務でドローンを使う予定がある方は、2025年12月18日の制度変更で二等以上の国家資格が事実上必須になっていることを踏まえ、最短・確実な取得ルートを早めに検討することをおすすめします。
実地試験を免除して合格率を最大化するなら、登録講習機関ルートが最も合理的です。経験者割引98,000円〜のDSL二等国家資格コース、または無料相談・資料請求で具体的な日程・費用をご確認ください。
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執筆: ドローンライセンススクール 記事編集部 (DSLドローンスクール 公式ブログ編集チーム)