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ドローンのレベル4飛行とは|要件・3要件の詳細・ビジネス活用を解説【2026年版】

2022年12月に解禁されたドローンのレベル4飛行(有人地帯目視外)の3要件・費用感・ビジネス活用を解説。一等資格・第一種機体認証・運航管理体制の全体像をまとめます。

ドローンライセンススクール 記事編集部読了 約10
📚 GUIDEこの記事は「ドローン国家資格 完全ガイド」の一部です

ANSWER / 結論

レベル4飛行=有人地帯上空での目視外・補助者なし飛行。2022年12月5日の改正航空法で解禁。

📝 この記事の要点

  • 3要件は①一等無人航空機操縦士②第一種機体認証を受けた機体③運航ルール遵守。資格だけでは飛べない。
  • 初期投資は一等資格・第一種認証機・運航体制の整備で合計500万円以上が目安。段階的な準備が現実的。
  • 物流・インフラ点検・都市部空撮が主な活用領域。2026年以降、本格運用フェーズに移行中。

📊 重要な数字とデータ

解禁日2022年12月5日(改正航空法施行)(出典: 国土交通省
必要な操縦者資格一等無人航空機操縦士(出典: 国土交通省
必要な機体要件第一種機体認証(または第一種型式認証)取得機体(出典: 国土交通省
第一種認証機の有効期限1年(第二種は3年)(出典: 国土交通省
一等資格取得費用(経験者)約55〜58万円(DSL基準)(出典: ドローン免許センター
目次

「レベル4飛行とは何か」「一等資格を取れば何でもできるのか」——本記事では、2022年12月に解禁されたレベル4飛行の定義・3要件・ビジネス活用・投資の現実を整理します。資格だけでは飛べない点が特に重要です。

レベル4飛行とは

国土交通省はドローン飛行をリスク水準に応じてレベル1〜4に分類しています。

レベル内容許可・認証の必要性
レベル1目視内・操縦飛行カテゴリーIなら不要
レベル2目視内・自動航行カテゴリーIIなら許可申請(二等で簡略化)
レベル3無人地帯目視外飛行許可申請(二等で簡略化)
レベル3.5無人地帯目視外・立入管理措置撤廃二等+第二種機体認証
レベル4有人地帯目視外飛行一等+第一種機体認証+運航管理

レベル4は人が住んでいる場所の真上を、目視なし・補助者なしで飛行させることを意味します。事故時の人的被害リスクが最も高いため、要件が厳格に設定されています。

3要件の詳細

レベル4飛行を実施するには、以下の3要件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると飛行できません。

要件1:一等無人航空機操縦士の保有

最上位の国家資格。学科試験は正答率90%以上、修了審査はATTIモード(GPS無効)での屋外実施・80点以上が合格基準です。

取得費用の目安:

  • 経験者(二等保有):約55〜58万円
  • 初学者:約83〜85万円

一等資格の取得方法・費用の詳細は一等無人航空機操縦士の取得方法を参照してください。

要件2:第一種機体認証を受けた機体

機体の安全性を国が証明する認証。第二種機体認証(レベル3.5対応)より安全基準が高く、有効期限も1年(第二種は3年)です。

2026年4月時点の主な第一種認証取得機体:

  • DJI Matrice 30シリーズ
  • DJI Matrice 350 RTK
  • Yamaha FAZER R G2

機体本体価格は200〜500万円台が相場。第一種型式認証ありの機体であれば認証費用は低コストで抑えられますが、型式認証なしの場合は数百万円規模の個別検査費用が別途かかります。

要件3:運航ルールの遵守

運航マニュアルとリスク評価書の作成・遵守が必須です。

主な内容:

  • DIPS2.0での飛行許可・承認申請(個別申請)
  • 運航マニュアルの作成(緊急時対応・記録方法・体制)
  • リスク評価書の作成(SORA的なリスクアセスメント)
  • 業務用ドローン保険への加入(対人賠償3億円以上が業界標準)
  • 飛行記録の保管・重大事故時の即時報告

運航マニュアルとリスク評価書の作成には専門知識が必要で、行政書士・運航コンサルタントへの依頼費用として10〜30万円程度かかります。

初期投資の目安

一等資格を取得してレベル4飛行を開始するまでの初期投資の目安を整理します。

項目費用目安
一等資格取得(経験者コース55〜58万円
第一種認証対応機体200〜500万円
運航マニュアル・リスク評価書作成10〜30万円
保険料(年額)30〜100万円
初期投資合計500万円〜

一等資格だけ取っても、機体と運航体制が整わないとレベル4飛行は開始できません。機体認証取得から運航開始まで資格取得後さらに3〜6か月の準備期間が現実的な見込みです。

ビジネス活用の主要領域

ドローン物流・配送

都市部でのドローン配送(医薬品・食料・小荷物)が国内でも実証段階から本格運用フェーズに移行しつつあります。楽天・ANA HD・JALなどが実証実験を実施済みです。

インフラ点検

橋梁・送電線・通信塔など有人地帯上空を通過するインフラ点検。従来は許可申請に1〜3か月かかっていた業務が、一等資格保有事業者なら手続き簡略化が可能です。

有人地帯空撮・映像制作

都市部の空撮。CM・映画・報道用の高難度ロケで、一等資格保有者の希少価値が案件単価に直結します。

自治体・防災対応

能登半島地震(2024年1月)では100回以上のドローン支援活動が実施され、防災分野でのレベル4対応整備が加速しています。

段階的アプローチの推奨

いきなりレベル4を目指すのではなく、段階的に進めるのが現実的です。

フェーズ内容目安期間
① 二等資格取得業務基盤の確立1〜3か月
② 二等で実務経験業務収益化・スキル蓄積6〜12か月
③ 一等資格取得経験者コース2〜4か月
④ 機体・運航体制整備第一種認証機・マニュアル3〜6か月
⑤ レベル4運用開始実際のレベル4飛行

この流れを踏むと、二等資格取得から実際のレベル4運用開始まで1.5〜2年が現実的なスケジュールです。

レベル4飛行の運航申請と許可手続き

レベル4飛行(カテゴリーIII)を実施するには、事前に飛行許可・承認申請が必要です。一等資格保有者でも個別申請が必要(包括申請は利用できません)。申請から許可まで通常2〜4週間かかるため、案件に合わせた逆算スケジューリングが重要です。

申請に必要な主な書類

書類内容
飛行申請書DIPS2.0で作成・飛行エリア・日時・目的を記載
運航マニュアル安全管理体制・緊急時手順・補助者配置を明記
リスク評価書SORA的なリスク評価フレームワークで第三者リスクを定量評価
機体認証番号第一種機体認証を受けた機体の認証番号
保険証明賠償責任保険の加入証明(対人3億円以上推奨)

申請はDIPS2.0でオンライン完結可能。初回申請は書類不備や修正依頼が発生しやすいため、初めてのカテゴリーIII申請は行政書士や運航コンサルタントへの相談を推奨します。

国内レベル4飛行の先行事例(2026年4月現在)

事例①:楽天グループのドローン配送(2024〜)

楽天グループは兵庫県などでドローン配送の実証実験を本格化。医薬品・食料品・衣類などのEC商品を住宅街上空(有人地帯)で目視外配送する実証で、レベル4飛行の活用が最も進んでいる民間事例の一つ。

事例②:ANA HDの有人地帯インフラ点検

ANA HDがドローン関連子会社を通じて、送電線・通信塔の有人地帯部分の点検にレベル4飛行を活用。従来2〜3日かかっていた現場作業が半日で完了するケースが報告されています。

事例③:自治体の災害時物資輸送(能登半島地震・2024年1月)

能登半島地震では住宅地を越えた物資輸送でドローンが活用されました。当時は緊急対応としての許可取得でしたが、この経験が自治体の防災計画へのレベル4飛行組み込みを加速させています。

ドローン免許センターについて

横浜校・千葉流山校で一等国家資格コース・限定変更コースを提供。国土交通省登録講習機関(Office Code 89)として、検定審査員直接指導・完全屋外実地訓練・少人数制で運営しています。

一等国家資格コースの詳細 → 限定変更コース(流山校) → 無料相談・問い合わせ →

よくある質問

Q1. 一等資格があればすぐにレベル4飛行できますか?

できません。第一種機体認証を受けた機体と運航管理体制の整備が別途必要です。認証機体の入手・運航マニュアル作成・許可申請まで3〜6か月程度かかります。

Q2. 個人事業主でもレベル4飛行の事業化は可能ですか?

制度上は可能ですが、機体費用(200〜500万円台)・保険料・運航管理体制の整備コストを考えると、法人化または企業所属が現実的です。

Q3. 第一種認証機は今後増えますか?

対応機種は2026年4月時点で増加中です。最新情報は国土交通省の公式サイトで確認してください。DJI等の主要メーカーが継続的に型式認証を申請しています。

Q4. 二等から一等へのステップアップに最適なタイミングは?

二等で業務が安定し、有人地帯上空の案件ニーズが具体化したタイミングです。「資格だけ先に取る」より、業務ニーズと連動させた取得が投資対効果の面で合理的です。

Q5. レベル4飛行の許可申請はどれくらい時間がかかりますか?

個別の飛行許可・承認申請はDIPS2.0で実施。一等資格保有者は手続きが簡略化されますが、初回申請や複雑なルートは数週間〜数か月かかるケースがあります。

Q6. 保険はどれくらい必要ですか?

業界標準として対人賠償3億円以上・機体保険・業務傷害保険の3点セットが目安。年額30〜100万円程度のコストになります。

Q7. 一等資格とレベル4飛行の関係を一言で表すと?

「一等資格はレベル4飛行のための必要条件だが、十分条件ではない」です。資格に加え機体と運航体制の3点が揃って初めて飛行できます。

Q8. 個人でもレベル4飛行事業を運営できますか?

制度上は個人事業主でも可能ですが、機体費用200〜500万円台・年間保険料30〜100万円・運航マニュアル整備コストを考えると、初期投資が大きく回収期間も長くなります。企業への就職・副業契約・法人化のいずれかのかたちで事業化するのが現実的です。個人でスタートする場合は、まず二等で業務実績を積み、レベル4案件の具体的なオファーが来た段階で一等取得・機体投資を進める順序を推奨します。

レベル4飛行の実務設計:運航管理体制の構築

レベル4飛行を事業として行うには、資格・機体認証に加えて「運航管理体制」の整備が必要です。

レベル4飛行に必要な運航管理体制の5要素

  1. 運航マニュアル:飛行前の安全確認・緊急時対応・事故報告のフローを文書化
  2. 通信体制:操縦者と飛行経路上の安全確認者(または無人監視システム)との通信体制
  3. 気象・空域情報の確認体制:飛行前・飛行中のリアルタイム気象データ確認
  4. 機体整備記録:点検・修理・バッテリー交換の記録管理(最低2年保存)
  5. 事故対応体制:損害保険・緊急連絡先・事故報告の窓口の明確化

業種別レベル4飛行の導入コストと収益性

業種主な用途機材費目安年間保険費1件の売上目安年間30件の売上
ドローン配送(山間部・離島)食料・医薬品輸送300〜500万円50〜100万円5〜30万円/回150〜900万円
大規模インフラ点検(上空)高層ビル・橋梁200〜400万円30〜70万円30〜100万円/件900万〜3,000万円
映像・中継(人混み上空)スポーツ・イベント100〜200万円20〜50万円20〜80万円/件600万〜2,400万円

2026年以降のレベル4飛行市場展望

国土交通省のデータによると、レベル4飛行の許可件数は2022年制度開始後に年率130〜150%で増加しています。特に物流(離島・山間部)・インフラ点検(橋梁・高圧鉄塔)・建設(高層建築)の3分野でのニーズが急増しており、2025〜2026年にかけて一等資格保有者の需要が人材供給を大幅に上回る見通しです。一等取得者の時給換算業務単価は二等の2〜4倍になるケースが増えており、今後2〜3年で差が拡大する可能性があります。

よくある質問(追加)

Q9. レベル4飛行の許可取得にかかる費用は?

DIPS2.0への申請手数料自体は無料ですが、申請書類の作成(飛行ルート・安全対策の説明資料)に専門知識が必要なため、コンサルタントへの依頼費が1〜5万円かかるケースがあります。初回申請は書類の不備・補正に時間がかかる傾向があるため、実績のある行政書士または登録講習機関のサポートを活用することで審査期間を短縮できます。包括申請(1年間有効)を取得すれば同一条件の飛行を繰り返す場合の申請コストが大幅に削減できます。

Q10. レベル4飛行の事故が起きた場合の責任関係は?

操縦者(または事業者)は航空法第132条の2の義務として適正な運航管理を行う責任があります。事故発生時は(1)国土交通大臣への報告義務(重大インシデントに該当する場合)、(2)被害者への損害賠償(民法の不法行為責任)、(3)行政処分(技能証明の取消・停止)のリスクがあります。法人では「製造物責任法(機体に欠陥がある場合)」と「使用者責任(従業員が業務中に引き起こした場合)」も課題になります。対人賠償3億円以上の保険加入が業界標準とされているのはこのためです。

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レベル4飛行の申請手続き:実務フローと必要書類

DIPS2.0で行うレベル4飛行の個別飛行許可申請の実務フローです。

申請に必要な書類一覧

書類名内容作成担当
飛行計画書飛行経路・高度・日時・目的の詳細申請者
機体情報第一種機体認証番号・機体の諸元申請者(機体購入時に確認)
操縦者技能証明一等技能証明書の証明番号申請者
運航管理体制説明書安全管理規程・緊急時対応フロー申請者
損害保険証書のコピー対人3億円以上・対物補償の確認申請者
第三者への通知方法飛行エリア周辺住民への周知計画申請者

申請から飛行開始までのタイムライン

ステップ所要期間(目安)
書類準備・DIPS入力3〜7日(初回は長め)
国土交通省の審査7〜30日(複雑なルートは長い)
追加書類・補正対応3〜14日(補正が入った場合)
許可通知受領DIPS2.0で電子通知
飛行実施許可有効期間内に実施

包括申請と個別申請の使い分け

状況推奨申請種別理由
固定エリアを繰り返し飛行包括申請1年間の許可で手続き削減
特定の1回限りの飛行個別申請詳細な安全計画を示す必要
初めてのレベル4飛行個別申請審査員との対話で課題確認
レベル4の実績を積んだ後包括申請に移行審査が通りやすくなる

レベル4飛行の開始を検討している方は、まず一等国家資格の取得から相談をスタートさせてください。ドローン免許センターでは無料相談で取得スケジュールと費用のシミュレーションを提供しています。

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執筆: ドローンライセンススクール 記事編集部 (ドローン免許センター 公式ブログ編集チーム)

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