ANSWER / 結論
二等の試験は学科(CBT・50問・30分)・実地(机上+口述+実技の5ステップ)・身体検査の3部構成。
📝 この記事の要点
- ●学科は正答率80%以上で合格。実地は100点持ち点・減点方式で70点以上が合格ライン。
- ●登録講習機関で修了審査を受けると実地試験が免除される。一発試験合格率は約30%、講習機関ルートは80〜90%。
- ●2025年4月17日適用の教則第4版で、レベル3.5飛行・行政処分基準が新たに学科の出題範囲に追加された。
📊 重要な数字とデータ
| 学科試験 二等 | 三肢択一式50問・30分・正答率80%以上で合格・受験料¥8,800(出典: 日本海事協会) |
|---|---|
| 実地試験 二等 | 100点持ち点・減点方式・70点以上で合格・受験料¥19,800〜(出典: 国土交通省告示) |
| 身体検査 | 書類受検¥5,200/会場受検¥19,900・両眼視力0.7以上(出典: 日本海事協会) |
| 学科合格 有効期間 | 通知日から2年間(出典: 日本海事協会) |
| 教則第4版 適用開始 | 2025年4月17日(レベル3.5飛行・行政処分基準が新規範囲)(出典: 国土交通省) |
| 合格率の差 | 一発試験 約30% / 登録講習機関ルート 80〜90%(約3倍差)(出典: 業界調査) |
目次
二等無人航空機操縦士の試験は学科・実地・身体検査の3部構成です。本記事では2026年4月時点の最新情報をもとに、各試験の内容・採点方式・合格率を国家資格検定審査員の視点で解説します。
試験の全体像:3部構成
| 区分 | 実施機関 | 方式 | 合格基準 | 受験料 |
|---|---|---|---|---|
| 学科試験 | 日本海事協会(指定試験機関) | CBT・三肢択一50問 | 正答率80%以上 | ¥8,800 |
| 実地試験 | 日本海事協会(指定試験機関) | 机上+口述+実技 | 100点持ち点・70点以上 | ¥19,800〜 |
| 身体検査 | 指定試験機関 または 書類提出 | 書類または会場検査 | 視力・色覚・聴力等 | ¥5,200 / ¥19,900 |
受験ルートの2択:
- 登録講習機関ルート:国土交通省認定スクールで講習と修了審査を受けると、指定試験機関での実地試験が免除される(学科と身体検査は必要)
- 一発試験ルート:スクールを経ずに指定試験機関で学科・実地を直接受験
学科試験の内容
出題範囲4科目(教則第4版準拠)
| 科目 | 主な出題内容 |
|---|---|
| 規則 | 航空法・特定飛行・飛行許可申請・登録制度・行政処分基準 |
| システム | 機体構造・推進系・電源系・センサー類・ATTIモード |
| 操縦者及び運航体制 | 安全運航マニュアル・運航計画・チーム運用・人的要因 |
| リスク管理 | 気象・地形・電波環境・事故対応・緊急時操縦 |
教則第4版(2025年4月17日適用)の追加範囲
2024年以前のテキストには含まれない新規項目です。
- レベル3.5飛行の追加(2023年12月導入の新カテゴリー)
- 行政処分基準の追加(違反時の処分要件・ペナルティ)
- 第三者・第三者上空空域の定義見直し
古い参考書や過去問のみで挑むとこれらで失点する可能性があります。国土交通省サイトで無料公開されている第4版PDFを必ず通読してください。
CBT受験の流れ
- DIPS2.0で技能証明申請者番号を取得
- プロメトリック社のサイトで試験日・会場を予約(全国200か所以上)
- 受験料¥8,800を支払い
- 当日、本人確認書類を持参して受験
- 試験終了後に即日スコアレポート・合否確認
学科合格は通知日から2年間有効。この期間内に実地・身体検査を完了し、技能証明書の交付申請まで進める必要があります。
実地試験の内容:5ステップ構成
試験の5ステップ
| ステップ | 試験種別 | 内容 |
|---|---|---|
| ① | 机上試験 | 飛行計画の作成(5分間・4問選択) |
| ② | 口述試験 | 飛行前点検(機体・空域・周辺確認) |
| ③ | 実技試験 | スクエア飛行・8の字飛行・異常事態飛行 |
| ④ | 口述試験 | 飛行後点検・飛行後の記録 |
| ⑤ | 口述試験 | 事故・重大インシデントの報告 |
口述試験が3回あることに驚く方が多いですが、「操縦できれば良い」ではなく「安全運航を体系的に説明できる人材」が求められています。
減点項目早見表
| カテゴリ | 減点項目 | 減点点数 |
|---|---|---|
| 飛行経路 | 飛行経路逸脱(経路幅3mから外れる) | -5点 |
| 操作精度 | 不円滑・ふらつき・機首方向不良 | -1点 |
| 操作精度 | 高度逸脱(指定高度から大きく外れる) | -1〜-5点 |
| 安全確認 | 飛行前後の安全確認漏れ | -1〜-5点 |
| 安全確認 | 緊急時対応の遅れ | -1〜-5点 |
累計で30点以上の減点で不合格(二等の場合)。以下の行為は即不合格になります。
- 不合格区画(飛行経路の外側に設定された禁止ゾーン)への進入
- 危険な飛行(第三者や障害物に接近)
- 制御不能(機体の暴走・コントロール喪失)
実技の3課題(二等マルチローター基本)
| 課題 | 内容 | 主な採点ポイント |
|---|---|---|
| スクエア飛行 | 四角形の経路を一定高度・速度で飛行 | 経路逸脱・高度維持・機首方向 |
| 8の字飛行 | 交差点含む8の字を機首を進行方向に向けて飛行 | 滑らかさ・交差点精度 |
| 異常事態飛行 | GPSロスト・電波途絶・強風時想定の緊急着陸 | 判断の正確さ・手順の順守 |
実地試験はGPSオフのATTIモードで実施されます。GPSモードでしか練習していない受験者が最も不合格になりやすいパターンです。
登録講習機関ルート vs 一発試験ルート
| 項目 | 一発試験ルート | 登録講習機関ルート |
|---|---|---|
| 実地試験 | 指定試験機関で受験が必要 | 修了審査合格で免除 |
| 実地合格率 | 約30% | 80〜90% |
| 講習時間(初学者) | なし | 学科10時間+実地10時間 |
| 講習時間(経験者) | なし | 学科4時間+実地2時間 |
| 総コスト(1回合格) | 約¥37,000 | ¥115,000〜(経験者) |
| 総コスト(3回目合格) | 約¥94,000 | — |
一発試験は受験料だけで安く見えますが、3回不合格になると講習機関の経験者コース(¥115,000)に近づきます。確実性を優先するなら登録講習機関ルートが現実的です。
実地試験コースのイメージと練習方法
実地試験の各課題で何が採点されているかを理解すると、練習の質が上がります。
スクエア飛行の練習ポイント
スクエア飛行は4辺×2周(一般的)のコースを一定高度・速度で飛行します。減点の大半は「角での旋回でのふらつき」と「高度の上下動」です。
練習方法:
- まずGPSモードで経路精度を練習(10〜15回)
- 角での「減速→90度旋回→加速」のリズムを身体で覚える
- ATTIモードに切り替えて同じ経路を反復(20〜30回)
- 風の方向を意識し、逆風・追い風の操舵量の違いを習得
8の字飛行の練習ポイント
8の字飛行で最も多い減点は「旋回中に機体が止まる」です。連続的な動きを維持しながら機首を進行方向に向け続けることが求められます。
練習方法:
- 低速で円を描くことから開始
- 「左円→交差点→右円」のリズムを一定に保つ
- 左旋回と右旋回で操舵感覚が異なることを意識して練習
- ATTIモードで安定してできるまで反復
異常事態飛行の練習ポイント
GPSが突然切れる想定(ATTIモード移行)での緊急着陸が主要課題です。「告知されてから3秒以内に適切な操作を開始できるか」が採点ポイントです。
練習方法:
- 練習中に突然ATTIモードに切り替えて、その場でホバリングする訓練
- 「減速→ホバリング→着陸地点確認→降下」の4ステップを反射的にできるよう反復
- 強風条件でのATTIホバリング練習(実際の試験は屋外実施)
口述試験の準備:よく出る問答例
口述試験は3回あり(飛行前・飛行後・事故報告)、各10点減点のリスクがあります。自分の言葉で説明できるよう準備してください。
飛行前点検(口述ステップ②)でよく出る質問
Q:プロペラの飛行前点検で確認する内容を説明してください。 A:プロペラの破損・ひび割れ・欠け・ゆがみの有無を目視で確認します。また、取付けのネジのゆるみ・ロック確認を行い、回転時に異音がないことを確認します。
Q:飛行前にどのような気象確認をしますか? A:気象庁や専用アプリで風速・風向・視程・雲底高度を確認します。特に風速5m/s以上・視程1km未満の条件では飛行を中止し、雷・前線接近時は無条件で中止します。
事故報告(口述ステップ⑤)でよく出る質問
Q:飛行中に重大インシデントが発生した場合の対応フローを説明してください。 A:まず①第三者と機体の安全確保(機体を安全な場所に着陸・停止)→②現場の保全(二次被害防止)→③管轄地方航空局へ速やかに報告→④状況の記録→⑤再発防止策の検討、の順で対応します。報告義務のある重大事故は、人の死傷・物件の損壊・機体の紛失などが対象です。
身体検査
| 方式 | 費用 | 推奨対象 |
|---|---|---|
| 書類受検 | ¥5,200 | 普通自動車免許など有効な書類を持つ方 |
| 会場受検 | ¥19,900 | 上記書類を持たない方・視力等に不安がある方 |
身体検査の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 視力 | 両眼0.7以上・片眼0.3以上(矯正可) |
| 色覚 | 赤・青・黄の識別ができること |
| 聴力 | 通常の会話に支障がないこと |
| 年齢 | 16歳以上(未成年は親権者同意書が必要) |
普通自動車免許を持つ方は書類受検(¥5,200)のみで完結するため、多くの受験者が書類方式を選択します。
よくある質問
Q1. 学科試験と実地試験はどちらを先に受けるべきですか?
学科試験に先に合格することを推奨します。学科合格の有効期間が2年のため、学科→実地の順で進めると合格期限の管理が楽になります。登録講習機関ルートでは「講習修了→学科CBT受験」の順が一般的です。
Q2. 実地試験の口述試験で具体的に何を聞かれますか?
飛行前点検では「モーターの動作確認の手順を説明してください」「プロペラの点検方法は?」などが出ます。飛行後点検では「飛行記録に記載すべき項目を挙げてください」。事故報告では「重大事故が発生した場合の通報フローを説明してください」などです。テキストの丸暗記ではなく、自分の言葉で説明できるよう反復練習が重要です。
Q3. 実技試験は何種類の機体で受けられますか?
マルチローター・ヘリコプター・飛行機の3種類から選択します。業務で使う機体の種類で受験するのが一般的で、マルチローターが受験者の大多数を占めます。
Q4. 限定変更(夜間・目視外・25kg超)はいつ追加できますか?
基本の二等取得後に追加で限定変更コースを受講します。受講料は1種別¥55,000程度・1日で完結します。限定変更は基本資格と合わせて更新されます。
Q5. 経験者コースを利用できる条件は?
民間資格保有・操縦経験10時間以上・国土交通省への飛行許可申請実績のいずれかを満たす方が対象です。経験者コースは講習時間が大幅に短縮(学科4時間+実地2時間)され、受講料もDSLの場合¥98,000〜と初学者コースの1/3程度です。
Q6. 学科試験と修了審査はどちらを先に受けるべきですか?
スクールの一般的な流れは「学科講習受講 → 実技講習受講 → 修了審査 → 学科CBT試験」ですが、学科CBTを修了審査前に受験しても構いません。学科合格の有効期間は2年のため、先に受験することもできます。ただしスクールのカリキュラムに沿って進めると、学科試験の対策と実技の習得が並行できるため、推奨です。
Q7. 実地試験当日の流れを教えてください。
開始30分前に会場(主にスクールの屋外コース)に集合し、本人確認・受付を済ませます。ゼッケン・ヘルメット・保護メガネが支給され、試験機体を確認する時間が与えられます。その後、机上試験(5分)→口述②(飛行前点検・5〜10分)→実技③(スクエア・8の字・異常事態飛行・15〜20分)→口述④(飛行後点検・5〜10分)→口述⑤(事故報告・5〜10分)の順で進み、合計所要時間は約1〜1.5時間です。当日中に合否が通知されます。
ドローン免許センターの二等コース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講料 | ¥302,500〜(経験者¥98,000〜) |
| 期間 | 経験者2日 / 初学者4日 |
| 学科 | オンライン受講可 |
| 実技 | 屋外・少人数制(最大2名) |
| 修了審査 | 国家資格検定審査員が直接担当 |
| 合格率 | 修了審査合格率約95%(業界平均80〜90%) |
二等国家資格コースの詳細 → 一等国家資格コースの詳細 → 無料相談・資料請求 →
二等学科試験の分野別出題傾向と得点戦略
分野別出題比率と難易度
| 出題分野 | 出題比率(目安) | 難易度 | 合格に向けた優先度 |
|---|---|---|---|
| 無人航空機の航空法(許可・申請) | 25〜30% | 高(規則が複雑) | 最高 |
| 飛行エリアの区分・飛行禁止空域 | 15〜20% | 中(地図読解が必要) | 高 |
| 機体の構造・仕組み(電池・モーター) | 15% | 中 | 中 |
| 運用リスク・緊急時対応 | 15% | 中 | 高 |
| 気象・大気の知識 | 10% | 低〜中 | 中 |
| 電波・通信の知識 | 8% | 低(暗記中心) | 低〜中 |
| 飛行前点検・整備の基礎 | 7% | 低(手順の暗記) | 低 |
高確率で出題される重要項目トップ10
二等学科CBT(70問・1時間・70%以上で合格)では以下の項目から繰り返し出題されます。
- 特定飛行の種別(飛行禁止空域・夜間・目視外・物件投下等の定義)
- カテゴリーI・II・IIIの区分定義と必要申請の違い
- DIPS2.0の申請種別(包括申請・個別申請の使い分け)
- 飛行前点検の項目と順序(プロペラ・バッテリー・モーター・ESC等)
- 航空法の主要条文番号(132条の2・132条の86等の番号と内容)
- 緊急用務空域の定義と対応義務
- リモートIDの搭載義務対象と免除要件
- 機体登録の有効期限と更新手続き
- 電波法の免許・免許不要帯(2.4GHz・5.8GHz)
- 気象(風速・視程・雷)判断と飛行中止基準
効率的な学習スケジュール(3週間プラン)
| 週 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 航空法・カテゴリー区分・DIPS申請の仕組み | 重要条文の骨格を理解 |
| 2週目 | 機体構造・気象・電波・リモートID | 暗記項目を整理 |
| 3週目 | 過去問・模擬試験(70問×3回以上) | 70%安定→80%超を目指す |
DSLでは学科をオンラインで受講できるため、通勤・昼休みの隙間時間を使った分散学習が可能です。
二等学科対策のよくある質問
Q8. 問題はどこで入手できますか?
国土交通省の「無人航空機操縦士試験実施要領」と「試験のガイドライン」に出題範囲と出題例が公開されています。また、試験実施機関(一般財団法人日本海事協会等)が公式サンプル問題を公開しています。これらを「公式素材」として使い、それを補完する形で市販テキスト・スクール提供のプリントを活用するのが最も効率的な学習です。
Q9. 70%を超えるには何時間の学習が必要ですか?
航空業務・飛行許可申請の業務経験がない初学者の場合、学科合格に必要な学習時間は20〜40時間が目安です。スクールの学科講習(8〜12時間)に加えて、自主学習10〜20時間を上乗せすると合格率が大幅に上がります。過去問(公式サンプル問題)を3周以上繰り返し、間違えた問題の根拠となる法令条文を必ず確認してください。
Q10. スクールの学科講習と自主学習の役割分担は?
スクールの学科講習は「理解の枠組み」を提供し、自主学習は「暗記と定着」を担います。試験に出やすい条文番号・定義の暗記はスクール授業中には完結しないため、授業後に自分でまとめノートを作成し、条文番号と要件をセットで暗記する自主学習が不可欠です。DSLでは学科修了後に模擬試験問題集(70問×5セット)を受講者に提供しており、自主学習のツールとして活用できます。
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執筆: ドローンライセンススクール 記事編集部 (ドローン免許センター 公式ブログ編集チーム)